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トムフォードアイウェアTF5783DB+セイコーパシュートCV-X|中近から遠近両用メガネに移行

トムフォードアイウェアで遠近両用メガネをお作りいただきました。

フレーム:TOMFORD EYEWEAR TF5783-D-B
レンズ:セイコー パシュートCV-X オールラウンド(遠近両用レンズ)

どのモデルもセンスあるデザインでカッコいいトムフォードアイウェアです。

トムフォード・アイウェア TOMFORD TF5783-D-B ブラック

 

ご購入いただいたO様は、これまで、中近レンズを使用していたとのことでした。

また、眼鏡を新調すると、慣れるのに毎度時間がかかるようで、直近のメガネは全然ダメで掛けてすらいないとのこと。

 

検査をすると乱視がC-3.00もあり、その点でも、いつも以上に気を付けながらの作製でした。

 

中近レンズは、このようなレンズです。

セイコー パシュートCV-Xルーム 中近レンズの見える距離

基本的に遠くを見るレンズではなく、中間と近くの距離を見ることがメインの設計です。

レンズを通して見たときの見え方イメージはコチラ↓

セイコー パシュートCV-X 中近レンズを通して見た時のイメージ

専門的になりますが、レンズのレイアウト的にはこう↓なります

これはO様が掛けていたレンズ構造と同一のものです。

セイコー パシュートCV-X中近レンズ レイアウト図 累進帯長20mm

基本的には、「+」の箇所に目の中心がくるようにレンズ加工をします。

ですから、お客様にメガネを掛けてもらい、どのあたりに目が位置しているのかを正確にチェックする作業が必要です。

レイアウト図を見てください。

「+」の下方に近用度数があります。「+」からの距離は12mm。

 

12mm以上下に視線を通すと近く用の度数があり、近方に焦点を合わせることが可能です。

同様に、遠方を見ようと思うと、上目遣いをし、8mm以上上方に視線を通す必要があります。

 

上下に20mm以上もの視線移動が必要です。

これはデメリットとなります。

 

※遠く~近くの度数変化部分=20mmの長さを「累進帯長」と呼びます。

 

 

フレームにレンズが入った状態ですと ↓このようなイメージです

中近レンズの焦点距離別の領域区別のイラスト

上から、遠用(緑)→ 中間(黄) → 近用(赤)というようにレンズ下方にいくほどに、近くの距離に焦点が合うようになっています。

1枚のレンズで、遠くから近用距離の度数に変化させるために、どうしても歪が生じてしまいます。

その箇所はグレーで表示しています。

 

中近レンズは、度数変化の累進帯長が長いため、緩やかに変化しますし、

眼から歪(グレー)までの距離(青線)が離れているので、慣れやすいというメリットがあります。

 

O様の中近レンズは、中近レンズの中でも近用重視のタイプなので、

まっしょう面を見た場合に、3段階の加入度(約+0.75)が入っている状態です。

遠くの視力が大きく犠牲にされてしまっている状態です。

 

O様は慣れにくい、という事をおっしゃっていましたので、

慣れやすい眼鏡にすることを第一優先に、選ばれたのかもしれませんね。

 

今回お作りする遠近両用レンズの見える範囲(明視域)は↓こんな感じ。

セイコー パシュートCV-X遠近両用レンズの明視域イラスト

レンズを通した際の見え方イメージはこちら↓

セイコーパシュートCV-X オールラウンド遠近レンズの明視域

 

レイアウト図はこちら↓(今回決定したレンズの構造)

セイコーパシュートCV-X遠近両用レンズ12mmのレイアウト図

中近レンズと比較すると、目線移動が少ないです。

真っ正面を見るだけで遠用度数の箇所に視線が通ります。

また、12mm視線を落とせば近くが見えます。※こちらは中近レンズも同じでした

 

 

眼鏡フレームにレンズを入れた際の、焦点距離別の区分けイメージは↓こちら

遠近両用レンズの焦点距離別のレイアウトイメージ

歪(グレー)の生じ方が大きく異なっていますよね。

レイアウト図の「+」部分(フィッティングポイント)が、上手の目玉の真ん中にある「+」と同じものです。

これがレンズと眼の位置関係の正しい関係性です。

 

レンズと眼の位置を気にせず、なんとなく加工すると、このように、眼に対してレンズが大きく下に下がった状態にもなりえます。

遠近両用レンズ 眼よりレンズがかなり下に位置するレイアウト

この場合、大きく視線を下に落とさないと、近用度数(赤)に視線が通りません。

近くが見えづらくなります。

 

一方、歪(グレー)部も下に下がるので、歪みは感じにくくなる傾向かと思います。

 

今度は逆にレンズが上に配置されてしまった場合はこんな↓感じ

遠近両用レンズ 眼よりもレンズが上にあり歪を感じやすい

真っ正面見た場合に、中間部に焦点が合ってしまいます。

眼から歪(グレー)までの距離(青線)が近くなりますので、揺れ歪みを感じやすく、非常に違和感を感じやすくなる方が多いと思います。

 

レンズと眼との位置関係が正常にできた場合でも、眼鏡の掛かり具合(フィッティング)がきちんとできていないと、こう↓なります。

眼鏡がズレて遠近両用レンズが下に下がって近くが見えにくい

メガネがズレてしまって、下方視しても、近用度数(赤)に視線を通すことができません。

 

遠近両用レンズを掛けて、「慣れない」「気持ち悪い」「近くが見えない」となる場合、原因の多くは、先ほどから書いている眼⇔レンズの位置関係か、そもそもの度数検査がうまくできていないケースが多いのではないかと思います。

 

ですから、メガネを買う際は、

特に、遠近両用レンズ・中近など(総称して累進レンズと言います)を買われる場合は、時間をかけしっかり見てくれるお店を選ぶことも重要ではないかと思います。

 

メガネ完成後、O様に掛けていただいたところ、だいたいOKでしたが、わずかに違和感を感じたように思いました。

少し微調整をした方が良いと思い、鼻パッドを調整し、このように修正してみました。

遠近両用レンズのフィッティングポイントを目より少し下げた

1~2mmほど、眼に対してレンズが下に配置されるように再フィッティング。

すると、「見やすいし、違和感もまったくなくなった」というような言葉を聞く事ができました。

 

今迄は新調すると慣れるまで時間が必要だったり、直近のメガネは全然ダメで使用していないことを考えると、合格点には達したのではないかと思います。

 

違和感がないおかげか、O様はトムフォードをそのまま掛けてお帰りになられました。

私も一安心となりました。

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遠近両用レンズはじめ、累進レンズは、特にですが、お客様のご希望や、使用目的などしっかりヒアリングしながら進めていかないと、良いメガネができません。

 

お客様のお話をじっくりお聞きしながら、より良いメガネ作りを目指して対応させていただきますので、お時間に余裕をもってご来店いただけますと助かります。

 

まずはご相談からでも結構ですよ。

お待ちしております。

眼鏡フレーム TOMFORD TF5783-D-Bで遠近両用メガネ

 

 

 

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