加齢性難聴とは?原因・症状・対策を詳しく解説

「最近、家族の声が聞き取りにくい」「テレビの音量を上げることが増えた」
そんな経験はありませんか?
加齢性難聴は、年齢を重ねることで誰にでも起こりうる聴力の変化です。
「年だから仕方ない」と諦めてしまう方も多いのですが、実は早めに対策をすることで、進行を遅らせることができます。
このページでは、加齢性難聴の原因、症状、予防法、そして日常生活でできる対策について詳しく解説します。
加齢性難聴とは
加齢性難聴とは、「老人性難聴」とも呼ばれ、加齢によって起こる聴力の低下のことです。
老化現象の一つであり、誰にでも起こる可能性があります。
厚生労働省によると、現在、難聴の患者は約1,430万人(国民全体の約10%)いると言われています。
いつから始まる?
多くの方が「聞こえが悪くなった」と感じるのは60歳前後ですが、実際には聴覚の老化は40歳代から始まっていると言われています。
ゆっくりと進行するため、初期段階では自覚しにくいのが特徴です。
オリーブユニオンによると、75歳以上の方の約半数は加齢性難聴であるとされており、決して他人事ではありません。

40代から?まだ若いのに…と思われるかもしれませんが、実は聴力の低下は早くから始まっているんです。ただ、日常生活に支障が出るほどではないため、気づきにくいだけなのです。
加齢性難聴の原因
有毛細胞の劣化
加齢性難聴の主な原因は、内耳にある「有毛細胞」の劣化です。
音は、外耳道から入って鼓膜を振動させ、耳小骨を経由して内耳にある蝸牛(かぎゅう)に伝わります。
蝸牛の中にある有毛細胞が音の振動によって刺激されることで、音は電気信号に変換され、聴神経から脳へと伝わり、音や声として認識されます。


オリーブユニオンによると、この有毛細胞は年を取るとともにダメージを受け、数が減少したり抜け落ちたりするとのことです。
そうすると、音の情報をうまく脳に送ることができなくなり、その結果、音が聞こえにくくなるのです。
重要なポイント:
有毛細胞は、一度傷ついたら元に戻ることができません。
つまり、加齢性難聴の場合、聞こえづらさは徐々に進行していき、元に戻ることはないとされています。
複数の要因が関係
加齢性難聴は、有毛細胞の問題だけでなく、さまざまな要因が複雑に絡み合って発生すると考えられています。
- 内耳の有毛細胞の減少
- 聴神経の経路の障害
- 脳の認知機能の低下
- 動脈硬化による血流障害
動脈硬化などによって血流障害が起こると、有毛細胞に栄養や酸素が行き渡らなくなり、有毛細胞の老化が進んで聴力の悪化につながると言われています。
加齢性難聴の症状
主な特徴
加齢性難聴には、以下のような特徴があります:
- 高い音から聞こえにくくなる
低い音よりも高い音の方が先に聞き取りにくくなります - 両耳が同じ程度で進行
片耳だけでなく、両耳が同じくらい聞こえにくくなります - 「何を言っているかわからない」
音は聞こえるが、言葉の内容が理解しにくくなります(語音弁別能の低下) - ゆっくり進行する
急激に悪化するのではなく、数年単位で徐々に進行します
日常生活での気づき
加齢性難聴は緩やかに進行するため、初期は自分では気づかないことが多いです。
以下のような変化が、日常生活での気づきのきっかけになります:
- テレビの音量が以前より大きくなった
- インターホンの音が聞こえにくい
- 電子レンジやリモコンなどの電子音に気づかない
- 家族や友人との会話で聞き返すことが増えた
- マスク越しの会話が聞き取りにくい
- 騒がしい場所での会話が困難
- 複数人での会話についていけない



『え?何?』と聞き返すことが増えたら、それが最初のサインかもしれません。家族から『テレビの音が大きい』と言われたり、会話で聞き返すことが増えたら、一度、聴力をチェックしてみることをおすすめします。
松江市・島根県での実感
松江市のような静かな地域では、日常生活での音の変化に気づきにくい場合があります。
一方で、家族との会話や、地域のコミュニティ活動での聞こえづらさが気になり始めたときが、聴力の変化に気づくタイミングかもしれません。
加齢性難聴と認知症の関係
認知症の最大のリスク要因
近年、「難聴は認知症のリスク要因になり得る」という認識が広まっています。
WHO(世界保健機関)のレポートでは、中年期以降の聴力低下が認知症発症のリスクを高める最も大きな要因の一つとして報告されています。
難聴があると、音として脳に伝わる情報が減ってしまうため、脳の働きが衰えやすくなります。
また、難聴であることを気にして他者とのコミュニケーションを取らなくなり、結果的に認知機能の低下につながる可能性があるとされています。


早期対策の重要性
だからこそ、早めに補聴器や集音器で聴力をサポートすることが重要です。
聞こえをサポートすることで:
- 脳への音の情報が増える
- 会話が楽しくなり、コミュニケーションが増える
- 社会参加が継続できる
- 脳が活性化される
- 認知症予防につながる
「聞こえる」ことは、単に音を拾うだけでなく、脳を活性化させ、人とのつながりを保ち、生活の質を高めることにつながります。だからこそ、聞こえづらさを感じたら、早めの対策が大切なのです。
加齢性難聴の予防法
加齢性難聴は老化現象の一つなので、完全に防ぐことは難しいのが現状です。
しかし、進行を遅らせたり、悪化させる原因を避けたりすることは可能です。
日常生活でできる予防法をご紹介します。
1. 大きな音を避ける
大きな音を聞くと、内耳にある有毛細胞が傷つき、減少してしまう恐れがあります。
- イヤホン・ヘッドホンで大音量で音楽を聴かない
- テレビの音量を適正に保つ
- 工事現場やコンサート、パチンコ店など大きな音を発する場所を避ける
- 騒音環境では耳栓を使用する
特に若い世代の方は、ヘッドホン難聴にも注意が必要です。
詳しくは→ ヘッドホン難聴とは?若い世代に増える騒音性難聴の原因と予防法
2. 生活習慣病の予防・管理
糖尿病、高血圧、脂質異常症、動脈硬化といった生活習慣病は、加齢性難聴を悪化させる要因とされています。
動脈硬化や高血圧などがあると、内耳や脳の血流が悪くなり、聞こえにくくなる可能性があります。
生活習慣病のある方は、適切に管理し、病気を悪化させないようにしましょう。
3. バランスの良い食事
血流を良くする食事、抗酸化作用のある食品を積極的に摂取しましょう。
- 青魚(DHA・EPA)
- 緑黄色野菜
- ナッツ類
- 果物(ビタミンC)
塩分や糖分の過剰摂取は避け、バランスの良い食事を心がけましょう。
4. 適度な運動
適度な運動は、血流を改善し、内耳への栄養供給を促進します。
- ウォーキング
- 軽いジョギング
- 水泳
- サイクリング
週3回、30分程度の有酸素運動が推奨されています。
5. 禁煙・適度な飲酒
喫煙は血流を悪化させ、内耳の機能低下につながる可能性があります。
過度な飲酒も動脈硬化や高血圧の原因になるため、適量を心がけましょう。
6. ストレス管理
騒音やストレスは、身体の中に酸化ストレスを増加させ、正常な細胞の組織を壊してしまうため、難聴を起こしやすくなると言われています。
趣味を楽しんだり、気分転換をしたりして、ストレスを発散しましょう。
ストレスと聞こえの関係について詳しくは→ ストレスと聞こえの関係|難聴・耳鳴りの原因と対策を解説
7. 十分な睡眠
質の良い睡眠は、疲労回復や細胞の修復に重要です。
7〜8時間の睡眠を心がけ、規則正しい生活リズムを保ちましょう。



予防といっても、特別なことではありません。健康的な生活習慣が、耳の健康も守ってくれます。できることから少しずつ始めてみましょう。
加齢性難聴の対策
根本的な治療法はない
残念ながら、現在の医学では、加齢性難聴の根本的な治療法はありません。
一度損傷・死滅した有毛細胞を再生することはできないため、失われた聴力を元に戻すことは難しいのが現状です。
しかし、進行を遅らせることは可能であり、早めの対策が重要です。
補聴器・集音器の活用


加齢性難聴に対しては、補聴器や集音器で聴力をサポートすることが主な対処方法です。
補聴器・集音器を使用することで:
- 聞こえが改善される
- 会話が楽しくなる
- 外出がしやすくなる
- 生活の質が向上する
- 認知症予防につながる
- 社会参加が継続できる
できるだけ毎日を元気に、活発に過ごすためにも、ぜひ補聴器や集音器の使用を検討してみてはいかがでしょうか。
当店では、集音器「オリーブエアー」を取り扱っています。補聴器に匹敵する高性能でありながら、お求めやすい価格と使いやすさが特長です。


いつから使い始めるべき?
補聴器や集音器は、軽度難聴の段階から使用することができます。
早めに使用を開始することで:
- 音に慣れやすい
- 言葉を聞き分ける能力を維持できる
- コミュニケーションの質が保たれる
オリーブユニオンによると、聴力の低下は30代や40代から低下し始めるとされていますが、それが実際に聞こえにくさとして実感するのはもっと先のこととのことです。
60歳を超えて聞こえにくさを感じるようになる方もいれば、75歳を過ぎてもあまり自覚がない方もいます。
ただ、75歳以上の方の約半数は加齢性難聴であるとも言われており、決して他人事ではありません。



『まだ早い』と思わずに、聞こえづらさを感じたら、それが使い始めるタイミングです。早めに使い始めることで、より自然な聞こえに慣れやすくなります。
オリーブエアーでできること
聴力のサポート
オリーブエアーは、聴力をサポートする集音器です。
- 最大音響利得60dBで幅広い聞こえをサポート
- 周波数ごとの細かい調整が可能
- スマートフォンで簡単に音量・音質を調整
- 聞きたいシーンに合わせて最適化
耳脳トレーニング機能
オリーブエアーには、聴力と認知機能を同時にトレーニングできる「耳脳トレーニング」機能が搭載されています。
東北大学の川島隆太教授が監修した、世界初の機能です。
- 1日10分、ゲーム感覚で楽しく続けられる
- 聴力と認知機能を同時にトレーニング
- 認知症予防に期待
詳しくは→ 世界初!聴力と認知機能を鍛える耳脳トレーニング
スタイリッシュなデザイン
オリーブエアーは、一見すると普通のワイヤレスイヤホンのようなデザインです。
「補聴器に見えない」「気軽に使える」と好評です。
詳しくは→ 集音器 オリーブエアー(Olive Air)|島根県の正規販売店
定期的な聴力検査の重要性
早期発見のために
加齢性難聴は緩やかに進行するため、自覚症状がないうちから定期的に聴力検査を受けることが大切です。
年に1回は耳鼻咽喉科で聴力検査を受けることをおすすめします。
他の病気との判別
「加齢性難聴だろう」と思っていたら、実は:
- 耳垢が詰まっていた
- 中耳炎などの病気だった
- 突発性難聴だった
といったケースもあります。
これらの場合は、適切に対処すれば症状の改善が期待できます。
「年だから仕方ない」と決めつけず、必ず耳鼻咽喉科を受診しましょう。
松江市・島根県での受診
松江市をはじめ、島根県内には耳鼻咽喉科の医療機関があります。
聞こえにくさを感じたら、お近くの耳鼻咽喉科を受診されることをおすすめします。
定期的な検診で、聴力の変化を早期に発見し、適切な対策を取ることができます。
まとめ
加齢性難聴について、重要なポイントをまとめます:
- 加齢性難聴は誰にでも起こる老化現象の一つ
- 聴覚の老化は40代から始まり、60歳前後で自覚する人が多い
- 原因は内耳の有毛細胞の劣化で、一度損傷すると再生しない
- 高い音から聞こえにくくなり、両耳が同じ程度で進行する
- 難聴は認知症の最大のリスク要因の一つ
- 根本的な治療法はないが、進行を遅らせることは可能
- 生活習慣病の予防、適度な運動、大きな音を避けることが予防につながる
- 補聴器・集音器で聴力をサポートすることで生活の質が向上する
- 早めに使い始めることで、より自然な聞こえに慣れやすい
- 定期的な聴力検査で早期発見・早期対策が重要
「年だから仕方ない」と諦めるのではなく、できることから始めてみましょう。
聞こえをサポートすることで、会話が楽しくなり、外出がしやすくなり、毎日をより豊かに過ごすことができます。
参考情報
本ページの内容は、以下の資料・情報に基づいています:
- 厚生労働省「広報誌 厚生労働 2024年10月号・11月号 特別企画」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou_kouhou/kouhou_shuppan/magazine/202410_002.html - 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「難聴について」
https://www.jibika.or.jp/owned/hwel/hearingloss/ - オリーブユニオン ミミマガジン「補聴器は何歳から?|加齢性難聴とは?」
https://www.oliveunion.com/jp/blog/hearingaid/hochoki_nansaikara/ - オリーブユニオン ミミマガジン「老人性難聴の防ぎ方!予防法や治療法を徹底解説」
https://www.oliveunion.com/jp/blog/health/roujinseinancho-2/ - 神尾記念病院「加齢性難聴」
https://www.kamio.org/otorhinology-disease/presbycusis/ - 済生会「加齢性難聴」
https://www.saiseikai.or.jp/medical/disease/presbyacusis/
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当店でのサポート
メガネ時計宝飾 長谷川時計店では、集音器「オリーブエアー」を取り扱っています。
店頭でご案内できる内容:
- オリーブエアーの試聴・体験
- 製品に関するご質問
聞こえに関する専門的なご相談は、医療機関(耳鼻咽喉科)の受診をおすすめします。
松江市にお住まいの方、島根県・鳥取県の山陰地方にお住まいの方、ぜひ店頭でお試しください。
メガネ時計宝飾 長谷川時計店
島根県松江市|集音器オリーブエアー正規販売店