ラドー・フローレンスのベルト交換と修理事例|ラグ形状に合わせた綺麗なカット

長年ご愛用いただいているラドーの時計ベルト交換と、作業中に発見した修理についてご紹介いたします。
長く愛されてきたラドーの時計
今回お預かりしたのは、当店でずいぶん前にお買い求めいただいたラドーの腕時計です。長年大切にご愛用いただいていましたが、ベルトが傷んできたため、ベルト交換のご依頼をいただきました。

作業中に見つかったパッキンの劣化
ベルト交換の準備をしていると、文字盤周辺に黒い汚れのようなものが付着しているのを発見しました。

よく見ると、これはパッキンの劣化によるものでした。ラドーには全面ガラスを採用したモデルが多く、ガラスと本体の間にパッキンが入っている構造になっています。

今回お預かりしたのは「フローレンス」というモデルで、すでに生産終了となっている型番のため、このパッキンの入手も容易ではありません。幸い、当店が提携している修理業者の中に、このパッキンを保管している会社があり、パッキン交換とガラスの貼り直し修理を依頼することができました。
さらに、風防内に湿気が入り込んでいる状態でしたので、オーバーホールも必要と判断いたしました。おそらく、風防内側のパッキンが経年劣化により防水性能を失い、湿気が侵入しやすい状態になっていたと考えられます。
お客様に修理内容と見積もりをご説明し、ご了承をいただいた上で修理を進行いたしました。
ラグ形状に合わせた丁寧なベルト加工
修理が完了し、当初のご依頼であったベルト交換作業に取りかかります。
事前に、純正ベルトに雰囲気が近い革ベルトをお選びいただいていました。今回使用するのは、当店で取り扱っているCASIS(カシス)というブランドの時計ベルトです。
このラドー・フローレンスは、ラグの中央部分にベルトを取り付ける「センターラグ」という仕様になっています。しかも、アーモンドのようなカーブを描いた独特の形状です。そのため、ベルトをそのまま取り付けることはできず、ラグ形状に合わせてベルトにカットを施す必要があります。

このような取り付け部のカット加工は、お店によって仕上がりのレベルが大きく異なります。当店では、取り付け部をなるべく美しく仕上げたいと考えておりますので、お客様からお時間をいただき、慎重にカット作業を行っています。
今回は通常のカット方法とは違う、より綺麗に仕上がるアイデアが浮かびましたので、そのアイデアを採用し、時間をかけて丁寧にカットと取り付けを行いました。

自分で申し上げるのも恐縮ですが、かなり綺麗に取り付けできたのではないかと思います。ベルトの色や質感も純正ベルトにとても近く、違和感なく仕上がりました。
こちら↓は、元々付いていた純正ベルト。この写真では分かりづらいですが、かなり劣化しています。

また、時計本体も見違えるように綺麗になりました。傷に強い全面ガラスの特性により、パッキンを新しくしてガラスを貼り直すと、まるで新品のような輝きを取り戻します。

全面ガラスの良さを実感できる瞬間ですね。
元の純正ベルトと比べても、遜色なく、むしろより綺麗に取り付けができたのではないかと感じています。
最後に、傷んだ純正ベルトに付いていた、金色の「純正の尾錠」を移植して、完成しております。

特殊なラグ形状の時計もお任せください
このように、単純にベルトを取り付けることができない特殊な形状の時計でも、当店では時計のラグ形状に合わせて丁寧にカットを行い、美しく取り付けることができます。
※形状やベルト素材によって、仕上がり具合は多少バラツキはできます。慎重に行っていますが、今回のレベルの仕上がりを保証するものではないことはご理解ください。
「腕時計のラグが特殊な形状で、ベルト交換ができない」「純正ベルトが生産終了になっていて、購入できない」など、お困りでしたら、ぜひ一度店頭にてご相談ください。大抵のものはカットして綺麗に取り付けることが可能です。
さらにこだわりたい方には、オーダーベルトという選択肢も
さらに美しく仕上げたい、ベルトの厚みにもこだわりたい、というこだわり派のお客様には、オーダーベルトという対応も可能です。
長さ、色、厚み、ステッチの色など、お客様のご希望を細かく指定してベルトをオーダーすることができます。その際、時計のラグ形状に合わせたカットも事前に工場で行うことができますので、カット部分の後処理も施され、既製のベルトに後からカットを行うよりも、さらに美しい仕上がりが期待できます。
時計ベルト交換のことでしたら、どうぞお気軽にご相談ください。
