突発性難聴とは?症状・原因・治療を詳しく解説|早期受診が重要

「突然、片耳が聞こえなくなった」経験はありませんか?
「昨日まで普通に聞こえていたのに、朝起きたら片耳が聞こえない」「会議中に突然耳が詰まって、音が遠くなった」「耳鳴りと一緒に、急に聞こえづらくなった」
このような症状が突然現れた場合、突発性難聴の可能性があります。
突発性難聴は、何の前触れもなく突然発症する難聴で、発症後48時間以内の早期治療が回復の鍵となります。
このページでは、突発性難聴の症状・原因・治療法について詳しく解説します。
突発性難聴とは
突発性難聴は、明確な原因がわからないまま、突然片側の耳(まれに両耳)の聴力が低下する病気です。

主な特徴
- 突然発症する(数時間以内)
- 片耳に起こることが多い
- 原因が特定できない
- 早期治療で改善の可能性がある
- 40〜60代に多いが、若い世代でも発症する

ある日突然、まったく予兆なく起こるので、患者さんは『なぜ自分が?』と驚かれることが多いです。原因不明というのが、不安を大きくする要因にもなっています
発症頻度
年間で人口10万人あたり約35〜60人が発症するとされており、決して珍しい病気ではありません。
松江市・島根県・鳥取県の山陰地方でも、この病気に悩まれている方は少なくないと考えられます。
突発性難聴の症状
①急激な聴力低下
最も特徴的な症状は、突然片耳の聞こえが悪くなることです。
難聴の程度は人によって異なります:
- 軽度:「少し聞こえにくい」程度
- 中等度:「会話が聞き取りにくい」
- 重度:「ほとんど聞こえない」
一部の音域(高音域や低音域)だけが聞こえなくなる場合もあります。
②耳鳴り
約90%の患者さんに耳鳴りが伴います。
耳鳴りの種類:
- 「キーン」という高音
- 「ジー」という持続音
- 「ゴー」という低音
耳鳴りは難聴の発症と同時、または直前に現れることが多く、症状が改善しても耳鳴りだけが残る場合があります。
③耳閉感(耳が詰まった感じ)
耳が詰まったような感覚や、耳に膜が張ったような違和感を感じます。
「飛行機に乗ったときのような感じ」「水が入ったような感じ」と表現される方もいます。
④めまい・吐き気
約40%の患者さんにめまいや吐き気が伴います。
めまいの特徴:
- 回転性のめまい(ぐるぐる回る感じ)
- ふらつき
- 吐き気や嘔吐を伴うこともある
めまいを伴う場合、内耳の前庭器官(平衡感覚を司る器官)も障害されている可能性があります。



めまいを伴う場合は、メニエール病など他の病気との鑑別が必要になります。医師にしっかり症状を伝えることが大切です
突発性難聴の原因
突発性難聴の原因は、現在でも完全には解明されていませんが、いくつかの仮説があります。
①ウイルス感染説
内耳にウイルスが感染し、炎症を起こすことで聴力が低下するという説です。
風邪をひいた後に発症するケースもあり、ウイルス感染が関与している可能性が指摘されています。
②血流障害説
内耳への血流が何らかの原因で途絶え、聴覚細胞が障害されるという説です。
内耳は非常に細い血管で栄養を受け取っているため、血流が滞るとすぐに機能障害が起こります。
③ストレスとの関係
近年、ストレス・疲労・睡眠不足が突発性難聴の発症に関与していることが注目されています。
オリーブユニオンの調査によると、突発性難聴を発症した方の多くが、発症前に過労や不規則な生活を送っていたと回答しているとのことです。
発症前によく見られる状況:
- 仕事が非常に忙しかった
- 睡眠不足が続いていた
- 生活リズムが乱れていた
- 大きなストレスを抱えていた
明確な原因は解明されていませんが、過度なストレスにより自律神経系に乱れが生じ、それが内耳への血液供給不足につながる可能性が指摘されています。



『仕事の繁忙期に発症した』『引っ越しや転職など環境の変化があった』という方が多いです。体が限界を迎えているサインかもしれません
④その他の要因
- 糖尿病や高血圧などの生活習慣病
- 喫煙
- 過度の飲酒
- 騒音環境
48時間以内の治療が重要
突発性難聴の治療において、最も重要なのは早期受診・早期治療です。
なぜ48時間以内なのか
発症後できるだけ早く、理想的には48時間以内に治療を始めることが重要とされています。
早期治療ほど回復の可能性が高く、時間が経過するほど聴力の改善が難しくなる傾向があります。
治療が遅れると、聴覚細胞のダメージが固定化してしまい、回復が困難になる可能性があります。
治療成績
一般的な治療成績として、以下のような報告があります:
- 完全に回復するケース:約3割
- 部分的に改善するケース:約3〜5割
- 残念ながら改善が難しいケース:約2〜3割
早期に治療を開始すれば、完全回復の可能性が高まります。



『様子を見よう』と数日待ってしまい、治療開始が遅れて後悔される方もいます。少しでも異変を感じたら、すぐに受診してください
診断と検査
問診
医師は以下の点を詳しく聞きます:
- いつ症状が始まったか
- 片耳か両耳か
- めまいや耳鳴りはあるか
- 発症前の体調や生活状況
- 既往歴(糖尿病、高血圧など)
聴力検査(純音聴力検査)
どの音域がどの程度聞こえないかを調べる検査です。
突発性難聴では、特定の周波数帯域で急激な聴力低下が見られます。
その他の検査
- ティンパノメトリー(鼓膜の動きを調べる)
- MRI検査(脳腫瘍など他の病気を除外)
- 血液検査(糖尿病や感染症の有無を確認)
治療法
①薬物療法
突発性難聴の治療の中心は薬物療法です。
主な薬剤:
- ステロイド薬:
-
内耳の炎症を抑える
- 循環改善薬:
-
内耳への血流を改善する
- ビタミン剤:
-
神経の回復を促す
ステロイド薬は、内服または点滴で投与されます。重症の場合は、入院して高用量のステロイドを投与することもあります。
②安静
治療中は、安静が非常に重要です。
- 十分な睡眠をとる
- ストレスを避ける
- 激しい運動を控える
- 禁酒・禁煙
体を休めることで、内耳の回復を促します。
③高圧酸素療法
薬物療法で効果が不十分な場合、高圧酸素療法が行われることがあります。
高圧環境下で酸素を吸入することで、内耳への酸素供給を増やします。



治療中は『仕事が忙しいから』と無理をせず、しっかり休むことが大切です。回復のためには、体を第一に考えてください
日常生活での注意点
発症を予防するために
- 規則正しい生活を心がける
- ストレス解消の時間を作る
- 十分な睡眠をとる
- バランスの良い食事を摂る
- 禁煙する
- 適度な運動を続ける
片耳難聴の方の生活の工夫
突発性難聴により片耳の聴力が低下した場合、以下の工夫が役立ちます:
- はっきりと話してもらう
- 聞こえやすい側に座ってもらう
- 騒音の少ない場所で会話する
- 重要な内容は文書(メール等)で確認する
- 必要に応じて集音器などの支援ツールを利用する
職場での配慮
- 騒音の少ない座席に配置してもらう
- 重要な会議内容は後で要約を共有してもらう
- 会議では聞こえやすい位置に座る
- 重要事項は文書で連絡してもらう
周囲の理解を求める
難聴は外見からは分かりにくい障害のため、周囲に理解されにくいという問題があります。
「聞こえているはず」と誤解され、つらい思いをする方も少なくありません。
こうした状況を改善するには、勇気を出して自分の症状を周りの人に伝え、協力を求めることが大切です。
最初は家族や親しい友人など、話しやすい人から始めてみましょう。



『聞こえないことを隠している』と誤解されることもあります。オープンに伝えることで、周囲も配慮しやすくなりますよ
予後と経過
回復までの期間
治療効果が現れるまでの期間は個人差があります:
- 数日で改善する人
- 数週間かかる人
- 数ヶ月かかる人
一般的には、治療開始から1〜2ヶ月で聴力がどの程度回復するかがわかるとされています。
再発の可能性
突発性難聴は、基本的に一生に一度しか起こらないとされています。
ただし、以下の場合は別の病気の可能性があります:
- 繰り返しめまい発作が起こる → メニエール病の可能性
- 両耳に発症する → 自己免疫性内耳障害の可能性
後遺症
完全に回復しない場合、以下の症状が残ることがあります:
- 難聴
- 耳鳴り
- 音が響いて聞こえる(補充現象)
- めまいやふらつき
メニエール病との違い
突発性難聴と症状が似ている病気に「メニエール病」があります。
比較表
| 項目 | 突発性難聴 | メニエール病 |
|---|---|---|
| 発症 | 突然(1回のみ) | 発作を繰り返す |
| めまい | あることもある | 回転性めまいが特徴 |
| 難聴 | 片耳が多い | 片耳から始まることが多い |
| 耳鳴り | 高音が多い | 低音が多い |
| 治療 | 早期治療が重要 | 長期的な管理が必要 |
メニエール病について詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
当店でのサポート
メガネ時計宝飾 長谷川時計店では、集音器「オリーブエアー」を取り扱っています。
ご来店いただける内容
- オリーブエアーの試聴・体験
- 製品に関するご質問
専門的なご相談
突発性難聴が疑われる場合や、聞こえに関する専門的なご相談は、医療機関(耳鼻咽喉科)の受診をおすすめします。
松江市にお住まいの方、島根県・鳥取県の山陰地方にお住まいの方、まずはお気軽にお問い合わせください。
さらに詳しく知りたい方へ
聞こえに関する他の情報もご用意しています。
関連ページ
参考情報
このページの作成にあたり、以下の情報を参考にしました:
- 厚生労働省
- 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
- オリーブユニオン
まとめ
突発性難聴は、突然片耳が聞こえなくなる病気です。
最も重要なのは、48時間以内の早期受診・早期治療です。
「少し様子を見よう」と放置せず、すぐに耳鼻咽喉科を受診してください。
メガネ時計宝飾 長谷川時計店
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